Topページ > 基礎知識 > ソーシャルレンディングにおける不動産の評価について(TAS,収益還元)
2016年11月4日

ソーシャルレンディングでの不動産担保のついたローン案件にて不動産の評価がいくらなのかという表記があります。

例えばmaneoなどではどのように物件の評価額を算出しているかという記述がありますが、それぞれどのような評価方法なのか説明いたします。

積算評価

積算評価とは基本的に土地の値段、建物の値段を別々に算定してそれらを合算した評価のことです。銀行が融資する際に使う傾向にある評価方法となります。

土地の評価方法

基本の土地の価格を算出する方法は下記となります。

路線価×土地の平米数 = 土地の価格

路線価がいくらなのかというのは「地価マップ」というサイトで誰でも簡単に調べることができます。

全国地価マップ
全国地価マップは、一般財団法人資産評価システム研究センターが提供しています。国や地方公共団体が一般に公開している宅地の価格に関し、評価センターが収集した情報...

地価マップにて表示される相続税路線価に対して0.8で割り戻すことで土地値を算出します。算出された基本の土地値から、土地の形状、接道条件、用途地域等によってさらに増減します。

建物の評価方法

建物の積算評価を算出する方法は下記となります。

建物の延べ床面積×再調達価格×(残存年数/法定耐用年数)

再調達価格とは「その構造の建物を建てたら1㎡でいくら必要か」という金額です。価格は銀行や評価する機関によって多少前後します。

木造・軽量鉄骨 14万円(13-15万円)
重量鉄骨 15万円(14万円-17万円)
RC・SRC 18万円(17万円-20万円)

耐用年数は下記となります。

木造・軽量鉄骨 22年
重量鉄骨 34年
RC・SRC 47年

積算評価の具体例

例えば下記のような物件がある場合

土地 200平米
路線価 30万円/平米
構造 RC
築年数 10年
延床面積 1,000平米

土地評価:30万 × 200平米 = 6000万円

建物評価:1000平米 × 18万円 × (47年-10年)÷47年 = 約 1億4170万円

積算評価は合計で約2億170万円となります。

積算評価での金額で売買されている物件は都内など利回りが低い地域ではほとんどありません。都内の物件は積算評価よりも大幅に高い金額になる傾向があります。

収益還元法

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出典:maneo.jp

収益還元法での評価額は、その物件が生み出す収益から逆算して評価額を算出する方法です。この中でも計算の簡易な直接還元法と、より正確に価値を計算するDCF法の2種類に分かれます。

実際の計算例

例えば都内23区内の築5年前後のRC構造の収益物件の平均相場の利回りが5%だとします。

そして対象物件(築5年)の年間での家賃収入が1000万円だとします。

この場合の計算式は下記となります。

1000万円 ÷(0.05×100)= 2億円

この物件の評価額は2億円となります。

この評価方法の場合には平均利回りが何%が妥当か?そして家賃収入額が適正な額かということが評価において重要となります。例えば売る側が不当に高い家賃で知り合いを入居させることで年間家賃収入をアップさせて評価額を釣り上げることも可能です。ですので現時点での家賃収入からではなく、その地域での適正な家賃査定から正しい評価額を導き出す必要があります。

タス(TAS)評価

tas

出典:maneo.jp

TAS評価とはトヨタグループで不動産鑑定業者である株式会社タスが算出する評価方法です。独自のデータベースからスピーディーに不動産の評価額を算定することが可能となっております。1件数千円とかなり安く利用できるようです。

使ったことがないのであくまで想定ですが、ある程度の項目に入力することで自動的に積算評価、収益評価を算出しているのではないかと思います。

あくまで機械的に算出しているのでどこまで正確か、実際市場にてその価格にて売却ができるのかというのはわかりませんが、ある程度の正確性は担保できているとは思います。

使ったことのある方の話ですと実勢価格に対して、都心の物件であれば少し低めに出る傾向があるようです。

販売予定価格

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出典:maneo.jp

こちらはあくまで担保の物件をいくらで売る予定なのかという希望価格にすぎません、もちろんあまりにも市場からかけ離れた金額設定であればソーシャルレンディング事業者も貸付は行わないと思いますが、金額的にはもしかしたら強気の場合もあるかもしれません。

これ以外にも業者評価、業者ヒアリングなどありますが、これらは全て第三者の査定ではなく、あくまで貸付先の評価だと思います。こういった査定額を表示するのであればソーシャルレンディング会社自体が第三者の鑑定業者から査定を出してもらい表示してもらいたいと思うのですが、この評価方法ですと上記の査定額よりは若干信頼度が下がる気がします。

ここからはあくまで想定でしかないですが、TASは1件数千円で査定できるのでmaneoなどの事業者は必ず使うことで評価額を出していると思います。

ただTASでの評価が実勢価格よりも低く出た場合(もしくは算定不能の場合)に、その評価額を表示すると貸付金を下回るか、もしくはギリギリすぎるので表示できず、業者評価などの金額を出している場合もあるのかなと感じます。

最後に

様々なソーシャルレンディング事業者の案件において、不動産の担保設定する際にどのような評価によって金額を設定しているのかというのは様々です。

それぞれの案件において単純に記述された不動産評価額を信じるのではなく、どのような方法によって査定されたのかを知ることでリスクを軽減できるかもしれませんので知っておいて損はないでしょう。

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